2009 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋αアクチニン3タンパク質の加齢に伴う発現変化とその運動適応に関する研究
Project/Area Number |
21700662
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
小倉 裕司 St.Marianna University School of Medicine, 医学部, 助教 (90509952)
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Keywords | αアクチニン3 / 老齢動物 / 運動トレーニング |
Research Abstract |
αアクチニン3タンパク質は速筋線維特異的に発現するタンパク質である。遺伝的にαアクチニン3タンパク質欠損型であるヒトやマウスを対象にした検討から、その有無が筋収縮力や代謝能力、また全身の運動パフォーマンス等に影響することが示唆されている。しかしながら、筋活動量の差異がαアクチニン3タンパク質そのものの発現量に及ぼす影響については検討がない。本研究では運動と加齢がαアクチニン3タンパク質発現量に及ぼす影響を明らかにすることを目的としている。 今年度は、特に運動がαアクチニン3タンパク質に及ぼす影響について検討した(次年度の老齢動物を用いる研究への予備的検討の要素を含む)。12匹のウィスター系雄性ラットをコントロール群(6匹)およびトレーニング群(6匹)に群分けした。トレーニング群には動物用トレッドミルを用いて5~6日/週、9週間の高強度インターバルトレーニングを行わせ、トレーニング期間終了後に足底筋、腓腹筋(腓腹筋は白色部と赤色部に分離した)を摘出した。その後各筋の均質化試料を用いてウェスタンブロッティング法により、αアクチニン3ともう一つのαアクチニンであるαアクチニン2の発現量を分析した。αアクチニン3発現量はトレーニングの後においてコントロール群と比較して有意な差を示さなかった。その一方で、αアクチニン2発現量は、トレーニング群の全ての骨格筋でコントロール群よりも有意に高値を示した(p<0.05)。以上のことから、運動トレーニングに対するαアクチニン3の適応性は必ずしも高くないものと思われた。この結果を踏まえ、速筋線維の特異的な減少が見られる老齢動物の骨格筋においては、運動によりどのような影響が見られるのかについて次年度で検討を行う。
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Research Products
(2 results)