2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700672
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
豊沢 純子 Osaka Kyoiku University, 学校危機メンタルサポートセンター, 講師 (90510024)
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Keywords | 防災 / 教育系心理学 |
Research Abstract |
本年度は、当初目的の、子どものリスク認知の特性を明らかにするための研究、全国の学校で行われている防災教育の教材や学習指導案の収集と分析、の2点について、以下の内容を実施した。 子どものリスク認知の特性を明らかにするための研究については、「地震」「台風」などの自然災害を示す単語からイメージされる単語や文章を自由に回答してもらい、その結果を質的・量的に分析するための調査を実施する予定であったが、調査計画を具体化する段階において、設問内容が抽象的であり、子どもの素朴な認知や感情を適切に抽出できない可能性が考えられた。従って、従来のリスク認知研究、脅威アピール研究の知見を踏まえた研究計画へと変更を行った。具体的には、地震に対する恐怖、リスク認知、効力感などの要因に分けた上で、子どもにとって回答がしやすいように設問内容を工夫し、それに対する回答を求めることとした。その結果、子どもの認知を扱う上では、従来の研究で議論されてきたリスク認知そのものよりも、恐怖感情や効力感に働きかけていくことが重要であることが示された。以上の成果は、学術雑誌に投稿中である。 全国の学校で行われている防災教育の教材や学習指導案の収集と分析については、様々な教材・事典等を収集すると共に、実践的な防災教育を行っている全国の防災センター等を訪問した。また、小学校で行われている防災教育の現場も見学した。その上で、専門的視点から、現在の防災教育の問題点を抽出し、それを改善するための防災教育のあり方について考察を行い、その成果を学術雑誌にまとめ、発表した。
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