2009 Fiscal Year Annual Research Report
職場のメンタルヘルスと更年期障害との関連性についての生理心理学的縦断研究
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21700681
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
廣川 空美 Fukuyama University, 人間文化学部, 講師 (50324299)
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Keywords | 心身の健康 / 加齢・老化 / 産業衛生 |
Research Abstract |
ベースライン調査の実施 平成21年度は、中規模事業場において、産業医の協力のもと、ベースライン調査の実施を行った。35歳以上の男女を対象として、健康診断時期に合わせ、血液を採取したところ83%の参加率であった。事業場の都合により、質問紙調査は12月に実施となり、採血と同時期に実施することができなかった。そのため、血液データと質問紙データの両方が備わっている参加者は、318名(男性297名・女性21名)となった。また、予定していた女性ホルモン(エストロゲンとFSH)は、予算が足りなかったため測定できなかった。男女共通してコルチゾールとテストステロン、男性のみDHEAの測定を実施した。平成22年度は、この318名を対象としてフォローアップ調査を実施する予定である。 性ホルモンと心理的ストレス、男性性・女性性、更年期症状との関連性の検証(横断研究) 男性の場合、DHEAと年齢、更年期性的症状には負の相関が、また、DHEAと仕事の要求度、仕事のコントロール、女性性との間には正の相関がみられた。いずれのホルモンも抑うつ感と直接関連性はなかったが、更年期症状や女性性と抑うつ感との間には強い関連性が示された。女性は人数が少なかったこともあり、性ホルモンといずれも関連性は認められなかった。男性に関しては、仕事のストレスにより、DHEAが減少し、更年期症状を感じ、さらに抑うつ感を高めることにつながるのではないかという仮説を導き出すような結果が得られた。この仮説的健康関連モデルを検証するために、平成22年度は、フォローアップ調査を実施することにより、仕事のストレスがホルモン変化に及ぼす影響、心理的ストレスへの影響を縦断的に検討する。
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