2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700687
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松生 香里 Tohoku University, 大学院・医工学研究科, 助教 (60513570)
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Keywords | 腸内細菌 / 骨格筋損傷 / 腸管機能 / 免疫組織化学染色法 |
Research Abstract |
研究の目的と平成21年度の研究実施計画 アスリートのオーバートレーニングと腸管機能の低下には密接な関連があるが、腸管機能の低下が骨格筋へ及ぶ影響に関しては、未だ明らかにされていない。このことから、1.腸管機能低下が骨格筋修復・再生の遅延を招くかどうか、この仮説を検証すること(平成21年度研究計画)、また、2.高齢者のサルコペニアの原因が、老化による消化器系機能低下に関連している可能性を調べ、3.腸管機能と骨格筋修復機能に関与する因子の同定を試みることを目的としている。平成21年度の研究実施計画において、1.腸管機能低下が骨格筋修復・再生の遅延を招くかどうかを確認した。 実験はマウスを用いて行った。まず、腸管機能の維持には腸内細菌が重要であるという申請者の先行研究をもとに、抗生剤を摂取させ、マウスの腸内細菌を除去した。その後、骨格筋を損傷させる薬剤であるカルディオトキシンをマウスの腓腹筋に注射し、筋損傷を惹起させた。筋損傷後の修復過程(損傷3日、5日、7日、10日、14日、20日)を調べた。マウスの損傷脚を摘出し免疫組織化学染色法にて調べた。コントロールとして、水摂取のマウスを用いて、同様に筋損傷を惹起させ、骨格筋修復過程を調べた。また、マウスの体重および損傷脚とコントロール脚を測定した。 その結果、腸内細菌を除去したマウスは骨格筋の修復・再生が遅延すること、また、損傷脚の重量においても増加がみられず、回復が遅延している可能性が示唆された。 これらのことから、腸内細菌は腸管機能の維持のみならず骨格筋の修復・再生過程にも重要であることが分かった。この研究成果について、2009年9月の日本体力医学会および国際運動免疫学会にて口頭発表を行った。
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