2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700687
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
松生 香里 立命館大学, スポーツ健康科学部, 助教 (60513570)
|
Keywords | 腸内細菌 / 骨格筋損傷 / 腸管機能 / 免疫組織化学染色法 |
Research Abstract |
アスリートのオーバートレーニングと腸管機能の低下には密接な関連があるが、腸管機能の低下が骨格筋へ及ぶ影響に関しては、未だ明らかにされていない。このことから、1.腸管機能低下が骨格筋修復・再生の遅延を招くかどうか、この仮説を検証すること(平成21,22年度研究計画)、また、2.高齢者のサルコペニアの原因が、老化による消化器系機能低下に関連している可能性を調べ(平成22年度研究計画)、3.腸管機能と骨格筋修復機能に関与する因子の同定を試みることを目的としている。 平成22年度の研究実施計画において、2.骨格筋修復・再生に寄与する腸管由来のメディエータを調べ、老化による腸管機能低下が骨格筋修復・再生に影響している可能性を調べた。実験は若齢マウス(10-12週齢)、老化マウス(45-55週齢)の腓腹筋に骨格筋を損傷させる薬剤であるカルディオトキシンを注射し、筋損傷後の修復過程(損傷3日、5日、7日、10日、14日、20日)の体重および損傷脚とコントロール脚の重量を測定した。また、免疫組織化学染色法にて修復過程を調べた。次に、老化マウスおよび若齢マウスに腸管機能を維持するため乳酸菌を摂取させる群を作成し、筋損傷を惹起させ、その後の骨格筋修復・再生過程を調べた。 その結果、若齢マウスでは筋損傷後の回復過程に改善はみられなかったが、老化マウスでは乳酸菌摂取によって、筋修復・再生が改善された。これらの研究成果は、2010年4月にEB2010でのポスター発表、および2010年9月には第65回日本体力医学会で口頭発表を行った。また、日本生理学会・日本解剖学会の合同学会シンポジウムにて、本研究成果の一部を報告した。平成23年度の計画に向けて、マウス骨格筋修復・再生に関連する腸管由来メディエータの探索を行った。
|