2010 Fiscal Year Annual Research Report
DNAチップを用いた食後高血糖抑制効果のある食品評価法の確立
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21700693
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
奥村 仙示 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (30322259)
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Keywords | 食後高血糖 / DNAチップ / トランスクリプトミクス / ヒト試験 / 機能性食品 |
Research Abstract |
世界的にも食後血糖管理が注目され、2007年に国際糖尿病連合(IDF)と欧州糖尿病学会(EASD)は合同で、「食後高血糖は有害であり対処すべき」という勧告がされている。今まで評価が困難であったヒトに対する低GI食の効果を、新技術である末梢血白血球遺伝子発現や末梢血バイオマーカーより経時的に評価する。健常ボランティア7名(年齢23.4±0.84歳、BMI21.3±0.55kg/m^2)に対し、無作為クロスオーバー試験により、DNAチップを用いた低GI食品負荷によるヒト生体での遺伝子変化の解析を行った。75gの糖質を含む試験食(グルコース、白米、大麦)と対照の水を摂取し、血糖値、血清インスリン濃度、血清遊離脂肪酸濃度を食前、食後30、45、60、90、120、240、360分後まで経時的に測定した。DNAチップを解析するための白血球は、食前、食後120、240、360分まで採取した。空腹時に比較し摂取後の変動が1.5倍以上あった候補遺伝子の中から、ピルビン酸からアセチル CoA への合成を阻害することで細胞内でのエネルギー源を糖質から脂質へと変換し代謝を調節するPDK4、脂肪酸の酸化経路への進入を制御するCPT1A、SLC25A20に注目した。これらの遺伝子は空腹時に高く、摂食後120から240分にかけて低下し、360分には飢餓状態を反映し空腹時より上昇がみられた。また、水摂取においては、食後に発現変動がみられなかったことから、これらの遺伝子の発現変動は、日内変動ではなく摂食による影響を受けたと考えられた。しかし、血糖値やインスリン反応の違いを反映せず、試験食間での差は見られなかった。本研究結果より、摂食後の反応がヒト白血球に反映されることが示ざれた。GIの異なる食品ごとの評価には、更に鋭敏な評価指標が望まれる。
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Research Products
(3 results)