2010 Fiscal Year Annual Research Report
新型1拍毎連続血圧計を用いたストレス回復指標の応用研究
Project/Area Number |
21700697
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
加藤 有一 札幌医科大学, 医療人育成センター, 助教 (90363689)
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Keywords | 血圧 / ストレス / 回復性 / 人格特性 / 血行動態 |
Research Abstract |
本研究は、心的急性ストレス負荷テスト時の反応性,及び,その後の回復性に関する血行動態と,行動特性の個人差との関連を調査することで、心理社会的ストレスに関わる生物学的機序を明らかにすることを目的に実施された。この種の研究は,正確な無侵襲測定装置と評価法が確立されてこそ意味を持つ。本研究では,私を含む研究室メンバーが開発に携わった無侵襲連続血圧計(MUB101)により,従来問題とされてきた時間経過に従うドリフトを回避し血圧値を1拍毎に測定した。また,平均回復率を指標として用いることで,反応性とは独立にストレス回復過程を評価した。なお,平均回復率の妥当性に関しては,本研究データを用いて国際誌(査読有)に掲載した。 平成22年度までに,心臓血管系既往歴のない138名の男性参加者(18-38yr)に対して精神的ストレス負荷テストを実施し,血圧(収縮期及び拡張期血圧)反応性と平均回復率を算出した。さらに,心疾患の媒介要因として提案される心理社会的人格特性や生活習慣に関する行動特性等の質問紙調査を実施した。年齢を制御変数とする相関分析の結果、収縮期血圧反応性と大学生版食行動尺度外発性(r=.191)、そして、拡張期血圧平均回復率とLOT-R質問紙によるポジティブ感情特性としての楽天性(r=.224)との間に有意な相関を得た。 急性ストレス反応性と回復性は、独立して身体健康に影響することが示唆されたことから、精神的ストレスが影響する心血管疾患の進展機序を解明する上でも,また,健康に対する行動的介入法の基礎データを提供する点からも重要な知見が示されたと考える。
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Research Products
(2 results)