2010 Fiscal Year Annual Research Report
有酸素性トレーニングに対する中心動脈の粘性および弾性の適応に関する研究
Project/Area Number |
21700707
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
河野 寛 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助手 (40508256)
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Keywords | 運動処方と運動療法 / 加齢 / 循環 / 動脈 / 粘弾性 |
Research Abstract |
平成21年度おいて、本研究では、中心動脈の粘性が加齢によって増加し、その増加は心肺体力の高い者において抑制されることを報告した。これらの成果を確認するために、平成22年度は有酸素性トレーニングを用いた介入実験を実施した。被験者は、男性24名(平均年齢:約25歳)をトレーニング群16名、コントロール群8名にわけた。トレーニング群は、最大酸素摂取量の50%の強度の運動を1回30分間、週3回の頻度で10週間実施した。コントロール群は、普段通りの生活を送った。トノメトリー法と超音波法を用いて、総頸動脈の血圧波形と血管径波形を導き出した。2つの波形によるヒステリシスループから、動的コンプライアンス、静的コンプライアンス(弾性)および動脈粘性を算出した。本報告書では、両群5名ずつの解析が終了したので、合わせて10名分の結果を示す。トレーニング群の頸動脈のパラメーターは以下のように推移した(動的コンプライアンス:0.136→0.149mm2/mmHg、静的コンプライアンス:0.0136→0.014mm/mmHg、動脈粘性:1612→1346mmHg・s/mm)。コントロール群の頸動脈のパラメーターは以下のように推移した(動的コンプライアンス:0.141→0.199mm2/mmHg、静的コンプライアンス:0.0142→0.019mm/mmHg、動脈粘性:1784→1009mmHg・s/mm)。2元配置の分散分析の結果、有意な差は認められなかった。この結果は、20歳代男性における10週間の中強度の有酸素性トレーニングでは、動脈粘性だけでなく、動脈コンプライアンスの改善が起こらないことを示唆している。しかしながら、今回の結果は各群5名分であり、今後追加解析によって新たな結果が得られるかもしれない。
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[Presentation] Blood pressure, arterial stiffness, and endothelin-1 in older rowers2010
Author(s)
Kawano H, Iemitsu M, Aoyama T, Asaka M, Gando Y, Ishijima T, Ando T, Tokizawa K, Higuchi M.
Organizer
15th Annual Congress of the European College of Sport Science
Place of Presentation
Antalya, Turkey
Year and Date
2010-06-25
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