2009 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者が安全に行える効果的な筋力トレーニング法の確立:筋発揮張力維持法の効果検証
Project/Area Number |
21700713
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
谷本 道哉 National Institute of Health and Nutrition, 健康増進プログラム, 客員研究員 (70435733)
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Keywords | 筋発揮張力維持法 / サルコペニア / レジスタンストレーニング / 筋酸素化レベル |
Research Abstract |
<目的>本研究の目的は、高齢者でも「安全に行える効果的な」筋力トレーニング法の開発である。比較的軽負荷強度で行う筋発揮張力維持法(以下LSTと表記)がその方法のひとつとして提案できる。 <実施内容>本年度はトレーニングマシンを用いたLSTの生理応答およびトレーニング効果の観察を行った。被験者,運動内容,測定項目は以下の通りであった。 [被験者]健康な前期高齢者(65-74歳)男・女各10名ずつ20名×2群(以下の2つのトレーニング群)合計40名。 [運動内容]運動種目:マシンレッグカール、レッグエクステンション(膝屈曲・伸展運動),運動負荷:50% 1RM,セット数:8回×3セット,セット間インターバル:60秒,頻度・期間:週2回×12週間 [運動群]LST群(3秒上げ・3秒下しの動作で行う群)、通常群(1秒上げ・1秒下し・1秒休みの動作で行う群) [測定内容]測定項目:筋厚、皮脂厚等身体組成に関する項目、1RMテスト、等尺性筋力等筋力に関する項目、血流量、動脈硬化度等血管系機能に関する項目など <結果>筋厚はLST群においてのみ有意な増加を示した。1RMテスト,等尺性筋力は2群共に有意な増加を示し、2群間の増加に差はみられなかった。大腿部筋血流量は2群共に有意な変化は見られなかったが、LST群では増加の傾向がみられた。動脈硬化度の指標である血管コンプライアンスは2群共に変化は見られなかった。 <意義>50% 1RMという比較的軽負荷強度のLSTトレーニングによって高齢者に有意な筋肥大を認めたことから、LSTは安全に行える有効なサルコペニア予防法として提案されうる。マシンを用いずに手軽に自体重を利用して行う方法での効果を観察する次年度の研究につなげていきたい。
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