2009 Fiscal Year Annual Research Report
母乳育児推進にむけた授乳状況評価のための母子観察指標の確立
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21700718
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
廣瀬 潤子 The University of Shiga Prefecture, 人間文化学部, 助教 (40381917)
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Keywords | 母乳 / 授乳 / 育児支援 / 観察 / 乳児 / ストレス / 乳幼児健診 / 唾液中ストレス成分 |
Research Abstract |
我が国の生後1ヵ月時点での母乳栄養率は45%程度と低い。一方で、WHO/ユニセフが認定している赤ちゃんに優しい病院(BFH)で積極的な母乳育児指導を受けた場合の同時期の母乳栄養率は75~80%と高くなっている。このことは、我が国の母乳栄養率の低さの一因として、母乳育児指導不足があることを示唆している。本年度はBFH施設でのどのような支援が母乳栄養率の上昇に関係しているのかを検討した。また、母乳育児支援専門の助産院に通う母親がどのような支援を求めているのかを調査した。 BFH認定施設勤務の助産院・看護師と保健所勤務助産師・保健師にアンケート調査を行った。保健所群では乳幼児健診を外部委託する施設もあり、また保健所勤務者が健診業務を行う場合でも授乳の様子を観察するとの回答は少なかった。一方で、67項目の観察ポイントについて授乳状況をどのように判断するかについてはBFH群、保健所群の両群で差が見られなかった。BFHでは児の口・喉の動きをはじめ観察しているポイントが有意に多かった。 母親のストレスは唾液中ストレス成分では一定の傾向は認められなかったが、PSI育児ストレスインデックスでの評価では、母乳育児支援専門助産院への来院回数が増えるにしたがってストレスが減少していた。また、第二子の来院理由は母乳育児に積極的に取り組みたいという理由で来院する場合が多かった。育児相談の相手に義母をあげた群では、PSIの「子どもが期待どおりにいかない」という項目でストレスが高い傾向であった。 支援者が観察にすることで個人に合った指導をするとともに、義母世代も含めて母乳育児への共通認識をもつ必要があると考えられる。
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