2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700719
|
Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
樋口 善之 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教 (70364180)
|
Keywords | 介護労働 / 不良作業姿勢 / OWAS法 / 労働適応能力 / 職業性ストレス簡易調査票 |
Research Abstract |
【目的】本研究の目的は、1)筋骨格系障害の有訴率、2)不良作業姿勢、過度の身体的負荷の出現頻度、3)介護労働にみられる心理社会的な要因の特性について検討することである。【方法】福岡県内にある障害者支援施設に勤務する介護職員を調査対象とした観察調査と質問紙調査を実施した。観察調査では、30秒ワークサンプリングにより、OWAS法(Ovako Working Posture Analysing System)による作業姿勢、作業内容(大分類10カテゴリー、小分類43カテゴリー)、作業場所等の記録を行った。質問紙調査では、自覚症しらべ、労働適応能力(Work Ability Index)、職業性ストレス簡易調査票を含む調査票を用いた。本研究は所属機関の倫理委員会の承認を得た後に、調査対象施設の管理者及び観察協力者と事前協議を行い、観察協力者及び施設利用者の個人の尊厳に最大限配慮すること、排せつ介助や入浴介助等の場面は観察対象から除外すること等を申し合わせた。【結果】1)筋骨格系障害の有訴率は64.3%であり、男女ともに腰背部痛が最も多く、その重傷度が高い者は14.3%であった。2)OWAS法によるAction Category(AC)に基づく作業姿勢観察分析の結果、早急な改善を有する作業姿勢(AC4)は全体の0.6%、改善を有する作業姿勢(AC3)は6.2%であった。これらの作業姿勢は、主に「身だしなみ介助」、特に履物の着脱時に多く観察された。3)自覚症しらべにより日中の愁訴状況を調査した結果、勤務後は、勤務前と比較して愁訴数、愁訴の強さが増加する傾向がみられた。労働適応能力に関して、製造業従事者との比較において有意差はみられなかった。職業性ストレス簡易調査票の結果、男女ともに「自覚的な身体的負担度」「職場環境によるストレス」が一般企業と比較して高い傾向がみられた。
|