2010 Fiscal Year Annual Research Report
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21700720
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Research Institution | Tohoku Seikatsu Bunka College |
Principal Investigator |
川又 勝子 東北生活文化大学, 家政学部, 講師 (50347910)
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Keywords | 生活文化 / 工芸染色 / 型染め / 手拭い / 浴衣 / デジタル化処理 |
Research Abstract |
明治期から昭和40年代にかけて、仙台地方において染色業が栄えた。本研究では現存する当時の資料を対象とし、1.大正期以降に生産された手拭い・浴衣の染色に使われた注染用型紙の文様を収集し、それら文様の電子保存と電子的修復を行うこと、2.注染による染色が盛んになる以前に多量に生産された常盤紺型の文様についても詳細な調査を行うことを目的としている。 平成22年度は、名取屋染工場(仙台市青葉区)が所蔵する型紙のうち、第三型入れ箱の注染型紙275枚の中から125枚を対象として、型紙の調査と型紙文様のデジタルデータ化を試みた。本年度調査した型紙は、前年度同様「名入れ型紙」が多数を占めた。営業・宣伝用に使用・頒布する目的の手拭いや浴衣であるため、文字と定紋、文字と割付文様など、文字とその他の文様を組み合わせた比較的簡素なデザイン構成の型紙が多数見られた。また、東北地方は漁業が盛んなために、大漁を願い、漁船の進水を祝う浴衣を染めた型紙が41枚と約3割を占めた。 古くから仙台地方の染色型紙の多くは、会津地方で製作され、特に常盤紺型は会津型紙が多いと言われている。喜多方市会津型研究会を訪れて調査を行い、仙台地方の常盤紺型と喜多方地方の会津型紙が類似していることが確認できた。一方手拭い・浴衣染色が盛んになったころに使われた注染型紙が会津地方で生産された事は確認できなかった。当時の型紙は仙台の職人が製作したと言われている事と一致する。 また、在仙の染工場所蔵の注染名入れ型紙246枚(昭和30~50年頃に使用された名入れ手拭い、名入れ浴衣)と、同染工場所蔵の昭和30年手拭競技会入賞・優秀手拭104枚を電子保存して、データベース『仙台型紙資料集V』(全104頁、資料掲載数350枚)を作成した。
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Research Products
(4 results)