2009 Fiscal Year Annual Research Report
多面体を用いた衣服の縫合後の立体形状予測システムの作成
Project/Area Number |
21700735
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Research Institution | Kyushu Women's University |
Principal Investigator |
伊藤 海織 九州女子大学, 家政学部, 助手 (40522032)
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Keywords | 縫合後の立体形状 / 多面体 / 着装角度 / 縫合線 / 折れ線 |
Research Abstract |
当該研究では、多面体を用いた縫合後の立体形状予測法を縫合後の3次元縫合線が平面上に存在する場合と一定の捩れ角をもつ場合に適用し、デザイン変更が可能な型紙領域を最大にするための着装角度を求める式を導出した。多面体を用いた縫合後の立体形状予測法は、人体上の区分線を基にした縫合後の3次元縫合線と型紙の2次元縫合線を設定すると、縫合後の立体形状を多面体として視覚化するシステムである。同時に、縫合によって再現可能な型紙の領域を示すことができる。縫合によって再現不可能なのは縫合後の立体形状に自己交差が生じる場合であることから、デザインを変更した場合、その型紙を3次元縫合線に縫合した立体形状に自己交差が生じないかどうか、あるいはより多様なデザイン展開を可能にするための着装角度を確認することができる。 まず、すべての多面体モデルについて、隣接する側面の着装角度が等しいときに、母線ベクトルの制限長が最大になることを明らかにした。母線ベクトルの制限長とは、縫合後の立体形状が自己交差しないときの、型紙の領域を最大にする母線ベクトルの長さである。すなわち、母線ベクトルの制限長は、縫合によって再現可能な型紙の広さの尺度となる。次に簡単な例題である平面上の3次元縫合線について、母線ベクトルの制限長が最大となる最初の側面の着装角度が2個存在することを明らかにした。その2個の角度とは、絶対値が理想の立ち上がり角の角度に等しい2個の角度である。ここでいう理想の立ち上がり角の角度とは、可展面理論における任意の曲面上にある空間曲線上の点における曲率ベクトルと接ベクトルのなす角度に対応する角度である。最後に、一定の捩れ角をもつ3次元縫合線の場合にも、母線ベクトルの制限長が最大となるような最初の側面の着装角度が2個存在することを明らかにし、それを求める式を導出した。
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Research Products
(1 results)