2011 Fiscal Year Annual Research Report
多面体を用いた衣服の縫合後の立体形状予測システムの作成
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21700735
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
伊藤 海織 福岡女子大学, 人間環境学部, 講師 (40522032)
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Keywords | 縫合後の立体形状予測 / 表襟と裏襟 / 角錐と角錐台 / 縫合線の進行方向 / 母線の方向 / 一定でない捩れ角度 / 最初の側面の立ち上がり角度 / 予測法の適用限界 |
Research Abstract |
平成23年度の研究テーマ「1袖に発生するしわモデルの一般化」,「2多面体を用いた縫合後の立体形状予潰システムの作成」のうち,テーマ2に成果を得た.21年度に,縫合後の3次元縫合線が一定の捩れ角度を持つ場合の,縫合によって再現可能な型紙領域を最大にする最初の側面の着装角度の算出式を得た.23年度はその式を参考に,縫合後の3次元縫合線が一定でない捩れ角度を持つ場合に適用可能な算出式を得た.この式は捩れ角度が3次元縫合線の座標値から求められる全てのモデルに対して適用可能であり,その範囲がかなり広範囲である点で,大きな成果だと考える.縫合後の3次元縫合線が一定でない捩れ角度を持つ例題として,襟モデルを取り上げた.襟は,折襟のときには表襟が外側に,立襟のときには裏襟が外側に現れる,すなわち両面が外側に現れうるという,衣服の中でも特別なパーツである.そこで,システム中の制御変数,縫合後の立体形状とそれを実現する型紙形状,外側に現れる面の三者の関係を明らかにした.またこの問題を探求していく中で,多面体を用いた縫合後の立体形状予測システムの適用限界と,このシステムの基となっている可展面理論を用いた縫合後の立体形状予測システムとの相違点を明らかにした.これは研究実施計画から外れた成果であるが,多面体を用いた縫合後の立体形状予測システムを使いやすくすることに役立てることができ,重要な成果であると考える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
「多面体を用いた縫合後の立体形状予測システムの作成」については,計画作成時に認識できていなかった縫合後の立体形状予測システムの不備に対する整備(平成21,23年度)に,「袖に発生するしわモデルの一般化」については計算用ソフトウェアのバージョンアップに伴うプログラム変更(平成22年度)に多くの時間を要したため.
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Strategy for Future Research Activity |
多面体を用いた縫合後の立体形状予測法の衣服形状への適用について,平成23年度に取りくんだ襟モデルは,縫合後の3次元縫合線が一定でない捩れ角度をもつモデルであったが,正中矢状面に対して左右対称の縫合線であった.今後はより汎用な予測法にするため,捩れ角度が一定でなく,かつ,どの面に対しても対称でない縫合後の3次元縫合線への適用として,袖モデルを取り上げる. 袖に発生するしわのモデルの一般化について,研究計画に挙げた腕と袖のモデルの位置,形状,圧縮率の設定を変えられるようにするために,その準備段階として,既存研究で得られたノード数の近似式を用いて計算コストを小さく.する方法の探求を追加する.また平成22年度の研究過程で,ノード数の近似式から作りたいしわ形状を実現するための袖の圧縮率・空隙率を算出する方法を得られる可能性が示唆されたため,算出式を求めることも準備段階に追加する.
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Research Products
(1 results)