2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700737
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
米田 千惠 Chiba University, 教育学部, 准教授 (20361404)
|
Keywords | 貝類 / 遊離アミノ酸 / 加熱 / うま味 |
Research Abstract |
斧足類のアサリを試料とし、冷蔵0日目(活貝試料)および2日目の試料(食塩水浸漬群、水切り群)について、汁物をモデルとして熱水抽出液を調製した。熱水抽出液の溶出固形分は貯蔵日数、貯蔵方法、加熱方法による違いはみられなかった。遊離アミノ酸およびATPおよび関連化合物は、沸騰水加熱より水から加熱したほうが、加熱時間が長いために熱水抽出液に多く溶出していた。グルタミン酸との相乗作用によりうま味が増強するAMP、IMPについても同様の傾向がみられ、汁にうま味を引き出したい場合は水から加熱する方が望ましいことが示された。一方でコハク酸は、2日目試料では、熱水抽出液、加熱軟体部ともに、水切り群より食塩水浸漬群の方が多かった。また熱水抽出液への溶出率は、コハク酸87%、遊離アミノ酸60~70%、ATPおよび関連化合物40~55%、ミネラル類51~89%となった。 次に-20℃で2週間冷凍した試料について、沸騰水からの加熱により熱水抽出液を調製した。両者の熱水抽出液の溶出固形分に有意差はなかったが、L*値は冷凍試料の方が有意に高かった。熱水抽出液の遊離アミノ酸はタウリン、アラニン、グリシン、グルタミン酸が主要なアミノ酸であり、活貝試料と冷凍試料の間で差異は小さかった。熱水抽出液のATPおよび関連化合物は、活貝試料よりも冷凍試料の方がAMP、IMP、イノシンが有意に多く、加熱軟体部でも同様の傾向を示した。コハク酸は冷凍試料よりも活貝試料の方が多かった。官能検査の結果、活貝試料の方が生臭みが強く、一方で、冷凍試料の方がうま味が強く、総合的に好まれた。
|
Research Products
(1 results)