2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700737
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
米田 千惠 千葉大学, 教育学部, 准教授 (20361404)
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Keywords | 貝類 / ミネラル / 冷凍 |
Research Abstract |
魚介類にはカルシウムや鉄、亜鉛などのミネラルが豊富であるが、調理の際にミネラル含量がどのように変化するかについて調べた。試料として千葉県産活アサリおよび茨城県産活ヤマトシジミを用い、殻付き貝25gを脱イオン水100ml中とともに加熱し、沸騰後アサリは5分間、シジミは3分間加熱した。加熱貝から加熱軟体部を得て、煮だし汁を熱水抽出液とした。別途活貝から生軟体部を取り出した。アサリおよびシジミの生軟体部、加熱軟体部、熱水抽出液について、直接灰化法により粗灰分を求め、これを希塩酸に溶解しNa、K、Ca、Mgを原子吸光法により、Feをフェナントロリン吸光法により測定した。また、シジミ冷凍試料(-20℃1ヶ月間)についても同様に熱水抽出液を調製し、ミネラルを測定した。まず、熱水抽出液および加熱軟体部に含まれる成分量について比率を求めたところ、アサリ熱水抽出液へのミネラル溶出率はNa、K、Caでは75%以上であったが、Mg、Feは60%未満であった。また、シジミのミネラル溶出率はNa96%、K86%、Ca89%、Mg84%に対して、Fe66%であった。次に、加熱軟体部のミネラル量を冷凍および未凍結シジミの間で比較すると、Ca、Mg、Feにおいて冷凍シジミのほうが未凍結のものより含量が高かった。殻付きシジミ25gを加熱した場合の熱水抽出液と加熱軟体部の合計では、冷凍シジミのCa含量(25mg)の方が未凍結シジミのCa含量(19mg)よりも高かった。また、熱水抽出液への溶出率は、Na95%、K88%、Ca80%、Mg76%、Fe56%となり、とくにCa、Mg、Feで冷凍シジミの方が未凍結シジミより溶出率が低い、すなわち加熱軟体部の残存率が高い傾向がみられた。
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Research Products
(1 results)