2009 Fiscal Year Annual Research Report
食料自給率向上につなげる米粉と地域特産野菜を活用した高機能性食品に関する研究
Project/Area Number |
21700738
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山口 智子 Niigata University, 人文社会・教育科学系, 准教授 (70324960)
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Keywords | 食品 / 農林水産物 / 野菜 / 抗酸化性 / 地域特産野菜 / ポリフェノール |
Research Abstract |
本研究は地域特産野菜の栄養性・機能性を解明するとともに、昨今、注目の集まっている米粉を使った食品への拡大利用について検討することを目的としている。H21年度は地域特産野菜の抗酸化性や機能性成分などの特徴を明らかするため、抗酸化性としてDPPHラジカル捕捉活性、機能性成分として総ポリフェノール量を測定し、対象として新潟県の特産野菜であるサトイモ(きぬおとめ)、白ネギ(やわ肌ネギ)、食用菊(かきのもと)、ダイコン、ナス、ホウレンソウ、女池菜を取り上げた。測定の結果、ラジカル捕捉活性はナス>食用菊>女池菜>ホウレンソウ>ダイコン>サトイモ>白ネギの順に高く、総ポリフェノール量はホウレンソウ>ナス>女池菜>食用菊>ダイコン>白ネギ>サトイモの順に高い値を示した。ナスについては、種類によりラジカル捕捉活性と総ポリフェノール量にかなりの相違が見られた。食用菊は新潟県で食される特徴的な食材であり、通常、酢水でゆでて用いられている。酢水で加熱することにより、花弁の赤紫色が鮮やかに発色する。そこで、蒸留水および1%食酢水中でゆで加熱した際のラジカル捕捉活性と総ポリフェノール量の変化を測定したところ、非加熱に比べて蒸留水と1%食酢水でゆで加熱した場合、ラジカル捕捉活性はやや減少傾向がみられ、総ポリフェノール量には変化はみられなかった。食酢の代わりに食塩や砂糖を添加した場合では、花弁の発色が異なるだけでなく、花弁からのポリフェノール成分の溶出量に相違がみられた。これらの調理・加工特性を考慮して、次年度はその栄養性・機能性を米粉食品に活かす方法を見出し、食料自給率向上につながる高機能性をもった米粉食品としての新たな活用の可能性を追求する予定である。
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