2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700741
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
石川 匡子 Akita Prefectural University, 生物資源科学部, 助教 (80315598)
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Keywords | 調理と加工 / 塩の粒径 |
Research Abstract |
塩専売法が廃止されて以降、にがり成分を含んだ塩が多数販売されており、それらを愛用する消費者が増加している。実際に、にがり成分が多い塩を口に含んだ場合、高純度塩よりも塩味をまろやかに感じるという意見や、焼き魚に使う際に、魚に振りかけると高純度塩と比べて美味しく感じるという意見がある。しかし、にがり成分が多い塩と高純度塩を、同じ使い方をしても味が異なるというのは、にがりに含まれる成分の相違のみならず、用いた塩の物性も大きく関わってさているのではないかと考えられる。にがり成分が多い塩は、さらさらとした小粒の高純度塩とは異なり、水分含量も高く、結晶粒径が増大するといった結晶としての形状が異なるものが多い。また、塩によって付着性や溶解速度は様々であることから、にがり成分を多く含む塩を食品に用いた場合、食品への付着度合や、食品上での溶解速度が異なり、その相違が食品内部への塩の浸透挙動に影響を及ぼすことで、最終的に食品の味に影響するのではないかと考えられる。そこで本研究では、実際に食品調理における塩の溶解速度・浸透度合測定のための新規評価法の確立ならびに塩の溶解モデルを構築し、塩の粒径が食品の調理特性に及ぼす影響について明らかにすることを目的として研究を行った。21年度は、寒天ゲルや豆腐ゲルなどの単一成分を使用したモデル食品を作製し、塩が持つ電解質の特性を利用し、ゲル上で塩が溶解した際に変化する電気伝導度を、LCRメーター装置を用いて経時的にリアルタイムで測定した。その結果、この方法によってグル表面上での塩の溶解速度の違いを経時的に測定することが可能であることがわかり、モデル食品表面上での溶解速度を求める新規評価法を確立した。
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