2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700743
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Research Institution | Tokyo Kasei Gakuin University |
Principal Investigator |
海野 知紀 Tokyo Kasei Gakuin University, 家政学部, 准教授 (90439753)
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Keywords | カテキン / 立体異性体 / 生体利用性 |
Research Abstract |
緑茶に含まれるカテキンとその立体異性体について、その生体利用性を比較するため、(-)-エピカテキン溶液を高温・高圧下で処理することにより(-)-カテキンを誘導した。この状態では両者の混合液であることから、さらに合成吸着樹脂(トヨパールHW40)による分離・精製を行い、凍結乾燥することにより、動物実験に供するサンプルを得た。5週齢のICRマウスに、(-)-エピカテキン、(-)-カテキン、(+)-カテキンをそれぞれ経口投与(100mg/kg)し、投与30分、60分後に心臓より採血した。得られた血液中のカテキン濃度は、固相抽出カートリッジ(OASIS HLB(日本ウォーターズ))による精製後、高速液体クロマトグラフィー-電気化学検出器によって定量した。現在までの予備的検討の結果、30分後の(-)-エピカテキンの血中濃度が最も高く、他と比べて高い生体内吸収性であると推察された。また、その異性体である(-)-カテキンについては(-)-エピカテキンに比べ、吸収性の低下が認められた。一方、血中における動態としては、ほとんどが抱合体(グルクロン酸抱合体、硫酸抱合体)として存在することが認められたが、(-)-エピカテキンについてはその一部分が遊離体として存在することも観察された。 以上の結果より、ペットボトルなどの緑茶飲料に含まれるカテキン種の違いにより生体利用性に差異があることが示唆され、緑茶の有する様々な機能性あるいは安全性の観点から詳細な研究が必要であると考えられた。
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