2009 Fiscal Year Annual Research Report
消費者が感じる牛肉の「やわらかさ」とは?-ISO5492収載用語による接近-
Project/Area Number |
21700746
|
Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
佐々木 啓介 National Agricultural Research Organization, 畜産草地研究所畜産物品質研究チーム, 主任研究員 (20343981)
|
Keywords | 食嗜好と評価 / 牛肉の食感 |
Research Abstract |
所内一般パネルを用いた消費者型官能評価を行うため、「かみ切りやすさ」「変形しやすさ」を分離して評価可能な「食感の異なる牛肉サンプル」調製モデルについて初めに検討したところ、当初想定していたモデルでは外観面および衛生面での問題があることが判明した。そこで21年度は当初の予定を変更し、牛肉サンプル調製モデルについて再検討を行った。その結果、内部温度を50℃以上の4種類とし、官能評価直前にサンプル表面を80℃で1分間処理することで、外観による区別がつきにくくなり、かつ衛生面での問題も無いサンプル調製が可能であった。また、この4種類のサンプルについて、専門家パネルを用いた食感の詳細なプロファイリングを行ったところ、この牛肉サンプル調製モデルにおいては「かみ切りやすさ」と「変形しやすさ」が異なる食感として認知されており、両者の感覚を分離して評価できることが明らかとなった。さらに、専門家パネルにおける食感のプロファイリングに用いる評価用語として、当初想定していたISO5492以外にISO11036評価用語を用いることで、より精密に牛肉の食感を表現できることが判明した。そこで次年度は、今年度確立された条件で消費者型官能評価を行い、消費者の感じる「牛肉のやわらかさ」解明をISO5492およびISO11036の両方の表現用語を用いて行うことが適当と考えられた。また、一般的に牛肉に「やわらかさ」をもたらすとされている脂肪交雑が、ISO5492食感表現用語ではどのような食感をもたらすか解析したところ、脂肪交雑の増加は「かみ切りやすさ」「変形しやすさ」の両方を改善することが示された。
|