2009 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー食中毒の原因物質を家庭で検出・評価する方法の検討
Project/Area Number |
21700752
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
新田 陽子 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教 (70403318)
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Keywords | イムノクロマト法 / アレルギー食中毒 / ヒスタミン / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
アレルギー食中毒はヒスタミン食中毒とも呼ばれ、食品内在菌が産生するヒスタミンを多量に摂取することが原因とされている。ヒスタミンはアミノ酸であるヒスチジンから生成される生理活性アミンで、生体中ではアレルギー反応の化学伝達物質として知られている。ヒスタミンが多量に生成された食品を食すと、人によっては発疹や顔面の紅潮といったアレルギー様症状が現れる。アレルギーが深刻化するなか、アレルギー反応の化学伝達物質であるヒスタミンの摂取を少しでも減らすことは重要である。ヒスタミンは通常の加熱によって分解されないため、多量に含まれていることが確認されたら、その食品は食べないことが最善の対策になる。そのため、各家庭で食する直前に食品中のヒスタミンを検出・評価できることが望ましいと思われる。本研究では、食品中に含まれるヒスタミンを、個人・家庭・飲食施設で評価するための、簡便・迅速な検出法について検討することを目的とし、イムノクロマト法によるヒスタミンの検出ついて検討した。今年度は市販のヒスタミンを認識する抗体と金コロイド、ニトロセルロース膜等を用いてヒスタミン検出用の試験紙を試作した。試験溶液中にヒスタミンが存在しない場合には、金コロイド標識抗体がテストライン上の固定化ヒスタミンに捕捉されて、テストラインに金コロイドの赤色の呈色が観察され、試験溶液中にヒスタミンが存在する場合には、ヒスタミン-金コロイド標識抗体複合体が形成され、テストラインにおける金コロイド標識抗体の集積が起こらず呈色しないように試験紙を作成した。この競合法によるヒスタミン検出ができるように設計した試験紙を用いて、標準的な緩衝液に溶解させたヒスタミンについて検討したところ、食中毒レベルの濃度での検出が可能であった。
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Research Products
(2 results)