2011 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドローム一次予防:活性酸素を介した老化関連遺伝子からのアプローチ
Project/Area Number |
21700754
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
根岸 裕子 奈良女子大学, 人間文化研究科, 助教 (50523841)
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Keywords | UCP2 / PPARs / プエラリン / メタボリックシンドローム / 葛 / 3T3 / イソフラボノイド / Sirt1 |
Research Abstract |
昨年度の結果より、メタボリックシンドロームモデルラットにおいて、葛蔓エタノール抽出物により、血清脂質の改善がみられた。さらに、それがNOや活性酸素の影響による可能性が示唆され、そのメカニズムに興味が持たれる。しかし、葛由来イソフラボノイドや葛特有に含まれるプエラリンについての報告は限られており、科学的根拠もほとんど示されていない。 そこで、その予防メカニズムについて検討するため、以下の加再加o系の実験を行う。 1.葛蔓エタノール抽出物および葛蔓特有に含有することが知られているプエラリンを前駆脂肪細胞株3T3培養細胞に負荷し、効果を検討する。 2.遺伝子および蛋白発現解析(RT-PCR法、Western Blotting法)をおこなう。 その結果、 ・葛蔓50%エタノール抽出は99.5%エタノール抽出と比較し、抽出効率が高く、また脂質代謝関連タンパクであるPPARs、CD36、sirt1のタンパク発現およびUCP2mRNAの発見が亢進していた。 ・葛蔓抽出物のメタボリックシンドローム改善効果は、プエラリン単体といったイソフラボノイド単体よりも葛蔓50%エタノール抽出物の方が脂質代謝の改善効果が高く、効果的であることが示唆された。 ・葛蔓50%エタノール抽出物のUCP2mRNA発現亢進には濃度依存性があり、過剰な負荷は作用低下を招くことが明らかとなった。 以上のことから、葛蔓エタノール抽出物は50%エタノールを用いたものが最もメタボリックシンドローム改善作用を発揮することが示され、また食品への添加にも適していることから葛蔓エタノール抽出物の機能性食品としての可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)