2009 Fiscal Year Annual Research Report
ローズマリー由来酸化ストレス防御活性化成分の新規機能に関する研究
Project/Area Number |
21700756
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
萱島 知子 Hiroshima University, 教育学研究科, 助教 (90452599)
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Keywords | 血管新生 / カルノシン酸 / 酸化ストレス / ラット動脈片 / 血管内皮細胞 / ローズマリー |
Research Abstract |
生体における酸化ストレス防御系において中心的な役割を果たすことから,近年非常に注目されている転写因子としてNrf2(nuclear factor erythroid 2 related factor 2)がある。このNrf2を活性するローズマリー由来の食品成分が血管新生抑制作用を有することを申請者は見出した。血管新生と酸化ストレスは共に疾病発症に深く関与していることから,血管新生抑制作用を有し,かつ生体の酸化ストレス防御系を活性化するこの機能成分は健康維持に有益である可能性が極めて高い。本研究では,ローズマリー由来の酸化ストレス防御活性化成分の血管新生抑制作用について細胞・分子レベルでの詳細な機序解明と病態モデルでの有効性について検討し,実際の食生活での活用に役立つ情報を得ることを目的とした。 本年度は,カルノシン酸の血管新生抑制の作用機序について細胞レベルで検討した。血管新生モデルで使用されるヒト臍帯静脈由来血管内皮細胞(HUVEC ; human umbilical vein endothelial cells)を用いたin vitroモデルにて,血管新生の重要な過程である細胞遊走,増殖,管腔形成に対する影響を検討した。その結果,カルノシン酸はHUVECにおける細胞遊走(10μM≧),細胞増殖(10μM≧),血管様構造構成(50μM≧)を抑制した。また,カルノシン酸と同様にローズマリー由来成分であるカルノソールについても検討し,血管新生抑制作用を示し,HUVECの機能を抑制することを明らかにした。さらに血管内皮細胞情報伝達系に対するカルノシン酸の影響について分子レベルで解析し,平成22年度研究実施への予備データを得た。
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