2009 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンE代謝組織の特定とゴマ摂取によるビタミンE代謝への影響
Project/Area Number |
21700771
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Research Institution | Nagoya University of Arts and Sciences |
Principal Investigator |
内田 友乃 Nagoya University of Arts and Sciences, 管理栄養学部, 助手 (50440821)
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Keywords | 栄養学 / 食品 / ビタミンE |
Research Abstract |
ビタミンEは、脂溶性の抗酸化物質である。ビタミンEとして最も多く体内に存在するα-トコフェロール(α-T)は、肝臓でシトクロームP450(CYP)4Fを律速酵素としてα-カルボキシエチルヒドロキシクロマン(α-CEHC)に代謝されるが、肝外組織でのα-Tの代謝能について報告はない。そこでビタミンE代謝臓器の特定のため、ビタミンE代謝産物の体内分布及びCYP4FのmRNA発現を調べた。また内部標準を用いたCEHC測定の条件設定を行った。その結果、小腸でCYP4F分子種のmRNA発現が確認された。α-Tとγ-トコフェロール(γ-T)を経口投与したラットの24時間後の組織中αT及びγT濃度と、設定した測定条件にてα-CEHC及びγ-CEHCを測定した。その結果、αT及びγTは、血清及び測定した全ての組織(肝臓、小腸、腎臓、副腎、肺、心臓脾臓、脳)で検出され、副腎で最も濃度が高く、次いで肝臓、小腸の順に高かった。また、γTよりもαT濃度の方が10倍以上高かった。α-CEHC及びγ-CEHCは、血清、肝臓、小腸、腎臓で検出され、小腸で最も濃度が高く、次いで肝臓で高かった。また、γ-CEHCの方がα-CEHCよりも10倍程度高かった。さらにラットにγ-トコトリエノール(γ-T3)を経口投与した3時間後に小腸を摘出し、内容物を生理食塩水で洗って6等分してγ-CEHCを測定した。その結果、小腸の中間部分でγ-CEHC濃度が高い傾向にあった。以上より、ビタミンEの代謝産物は、血清、肝臓以外に今回初めて小腸、腎臓でも検出され、小腸で比較的濃度が高いことが明らかとなった。さらに、小腸にもCYP4Fが存在している可能性が考えられることから、ビタミンEは吸収時にその一部が代謝されている可能性が示された。
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Research Products
(3 results)