2010 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンE代謝組織の特定とゴマ摂取によるビタミンE代謝への影響
Project/Area Number |
21700771
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Research Institution | Nagoya University of Arts and Sciences |
Principal Investigator |
内田 友乃 名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 助手 (50440821)
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Keywords | 栄養学 / 食品 / ビタミンE / ゴマ |
Research Abstract |
ビタミンEは、脂溶性の抗酸化物質であり、ビタミンE代謝の主要組織が肝臓であることは間違いない。昨年度の研究では、肝臓以外にも、小腸においてビタミンEが代謝される可能性について報告した。また、ビタミンEの構造類似体であるα-トコフェロール(α-T)とγ-トコフェロール(γ-T)を同量ラットに投与すると、γ-Tの方がα-Tよりも代謝されやすい可能性も示した。今年度は肝臓ミクロソームにおいて、ビタミンEの種類によって代謝の律速酵素であるCYPの酵素活性が異なるという報告があることから、ラットにα-トコフェロール(α-T)とγ-トコフェロール(γ-T)を一緒に摂取させたとき、代謝に影響が見られるか検討した。その結果、小腸および血清中のγ-T濃度は、α-Tとγ-Tを同時に投与した場合の方が、γ-Tのみを投与した場合に比べ、有意に低く、γ-Tの代謝産物である尿中γ-CEHC排泄量は、α-Tとγ-Tを同時に投与した場合の方が高かった。従って、過剰量のα-Tの摂取は、γ-Tのγ-CEHCへの代謝を促進させる可能性が示された。また、ゴマ摂取によるCEHC排泄量と主要組織におけるビタミンE代謝への影響をラットを用いて検討した。これまでの研究では、ゴマを摂取させると、γ-Tの体内濃度を上昇させること見出しているが、今回、γ-T以外にも、α-Tの体内濃度もゴマ摂取によって上昇させることを明らかにした。そのメカニズムとして、ゴマの摂取が、ビタミンE代謝を阻害し、代謝産物を減少させ、体内ビタミンE濃度を上昇させたと考えられた。
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Research Products
(3 results)