2011 Fiscal Year Annual Research Report
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21700772
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Research Institution | Osaka Ohtani University |
Principal Investigator |
三浦 健 大阪大谷大学, 薬学部, 助教 (60434809)
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Keywords | 特殊栄養 / フラボノイド / 薬物治療 / 相互作用 |
Research Abstract |
アントラサイクリン系抗癌薬は、広い抗癌スペクトルを持つ有用な抗癌薬であるが、一方、生涯累積投与量依存的に重篤な心筋障害・心不全を引き起こす。この心不全の原因の一つとして、アントラサイクリン系抗癌薬のアルコール体代謝産物の心臓組織への蓄積が有望視されている。この代謝に関与する酵素として、CBR1(Carbonyl reductase 1)が知られている。最近になって、ヒトAKR1A1(Aldo-keto reductase 1A1)も同様に生理的な代謝酵素として働きうることが明らかにされた。本年度は、ドキソルビシンを基質とした酵素反応の生成物検出や、昨年度までに樹立した上記代謝酵素群の大腸菌発現系・精製系により得られたタンパク質を用いて、フラボノイド含有フルーツの抽出液やジュース類を酵素阻害剤含有食品候補として、スクリーニングを行った。20種類程度の酵素阻害剤含有食品候補0.001%(v/v)-1%(v/v)に対して、human CBR1によるドキソルビシンを基質とした酵素反応についてスクリーニングを行ったところ、いくつかのものはIC50が0.03%(v/v)という極めて強力な阻害作用を検出した。これらはhuman CBR1に対して極めて強力な阻害活性を有する物質を含んでいると考えられる。今後は、これらの候補物質の他の酵素群に対する阻害活性を検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ想定通りの研究を展開できており、予定通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでに得られた知見を基に研究計画通りに本研究課題を展開する予定である。
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