2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700772
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Research Institution | 大阪大谷大学 |
Principal Investigator |
三浦 健 大阪大谷大学, 薬学部, 助教 (60434809)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 特殊栄養 / フラボノイド / 薬物治療 / 相互作用 |
Research Abstract |
アントラサイクリン系抗癌薬は、広い抗癌スペクトルを持つ有用な抗癌薬であるが、一方、生涯累積投与量依存的に重篤な心筋障害・心不全を引き起こす。この心不全の原因の一つとして、アントラサイクリン系抗癌薬のアルコール体代謝産物の心臓組織への蓄積が有望視されている。この代謝に関与する酵素として、CBR1(Carbonyl reductase 1)が知られている。本年度は、CBR1の転写制御に食品中の物質が関与するのかを検討するとともに、CBR1と病態への関与について検討した。 CBR1遺伝子上流域-2062 bpを用いたルシフェラーゼアッセイの結果、酸化防止剤として使用されることがあるBHAがCBR1の転写活性を促進させることを見出した。BHAは転写因子Nrf2を活性化させる作用があるためNrf2のCBR1遺伝子制御への関与を検討したところ、Nrf2のDNA結合配列であるARE(antioxidant-responsive element)を3つ、当該領域に見出した。変異導入解析の結果、そのうちもっとも転写開始点に近いARE1が、BHAによるCBR1転写活性化に寄与していることを明らかにした。また、これらの結果はEMSA(Electrophoretic mobility shift assay)により支持された。 CBR1の病態への関与について、ラット腎虚血再灌流モデルにおいてCBR1の基質の一つであるイサチンに注目し解析を行った。イサチンは生体内に存在する物質でありMAO(monoamine oxidase)を阻害する活性を有する。イサチンの投与により、腎虚血再灌流による腎障害がさらに悪化した。CBR1の機能制御が腎障害への治療標的になりうると考えられる。ラット腎虚血再灌流モデルに関する実験は、研究協力者として筒居秀伸(大阪大谷大)が関わった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)