2009 Fiscal Year Annual Research Report
緑黄色野菜中ビオチン含量の栽培環境因子による変動とその作用機序の解明
Project/Area Number |
21700776
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Research Institution | University of Niigata Prefecture |
Principal Investigator |
曽根 英行 新潟県立大学, 人間生活学部, 講師 (90398511)
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Keywords | ビオチン / 季節変動 / 栽培地域差 / 緑黄色野菜 |
Research Abstract |
「五訂増補日本食品標準成分表」では、ビオチンはビタミンとして唯一収載されておらず、栄養評価に利用できずにいるのが現状である。本研究は、野菜類における食品中ビオチン含量の栽培環境差について解析を行い、ビオチンに関する食品成分表策定のための基礎データの構築を目的としている。平成21年度は、主要食品として国民健康栄養調査および申請者の過去の食事調査の結果から利用頻度の高い食品30品目、ビオチン優良供給源となる食品30品目および野菜類から周年供給される緑黄色野菜を中心に総サンプル数100品目を収集した。さらに、野菜類の栽培地域差・季節変動を検討するために、10品目の野菜類を季節別(夏季:8月と冬季:2月)・地域別(日本海側寒冷地域:新潟と太平洋側温暖地域:千葉、埼玉、高知、福岡、宮崎)に60点購入した。食品類は、直ちに五訂増補日本食品標準成分表に準拠した方法で前処理を行い、必要量を秤量・採取後、ビオチン定量のための試料調整を行った。また、全てのサンプルについて水分含量を測定した。現在、これらの試料についてビオチン含量を測定中である。さらに、野菜中ビオチン含量に影響を与える栽培環境因子を同定するため、日照時間(0,4,12時間)・栽培温度(6,12,25℃)・栄養状態(ATP添加の有無)を変えて豆苗を栽培し、ビオチン含量を測定した。しかし、緑化の程度や栽培温度の低下によるビオチン含量の減少傾向は認められたものの、環境因子による明確な影響は観察されなかった。豆苗は発芽野菜の新芽であるため、種子からのビオチン供給が多分に影響したものと考えられる。現在、発芽後、種子を除去した状態での栽培方法を確立し、再検討を行っている。
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