2009 Fiscal Year Annual Research Report
食用植物油による生活習慣病進展に関わる機序の解析研究
Project/Area Number |
21700780
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Research Institution | Hatano Research Institute, Food and Drug Safety Center |
Principal Investigator |
内藤 由紀子 Hatano Research Institute, Food and Drug Safety Center, 毒性部・薬理学研究室, 室長 (80426428)
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Keywords | 食品 / 循環器・高血圧 / 薬理学 / 脂質 |
Research Abstract |
雄性脳卒中易発症高血圧自然発症ラット(SHRSP)7週齢、60匹を1群30匹2群に分け、カノーラ油群および大豆油群(対照群)とした。さらに各群を、6、8、8および8匹に分け、それぞれ2、4、6および8週間投与群とした。カノーラ油または大豆油を10w/w%含有無脂肪精製粉末飼料を2、4、6または8週間自由摂取させた。投与期間は毎日一般状態を観察し、体重および摂餌量測定(1回/週)、血圧測定(1回/2週)および尿検査(1回/3週)を実施した。各投与期間終了後、麻酔下で採血して血漿を得、血液生化学検査を実施した。また、動物を剖検し、主要器官の重量を測定し、病理組織学的検査のためにホルマリン保存した。一般状態観察では、投与第5週以降、大豆油群の3例、カノーラ油群の6例で自発運動の低下、痙攣または四肢の麻痺等が認められた。大豆油群と比較して、カノーラ油群の体重、摂餌量、血圧、および尿検査の各パラメータにはほとんど差が認められなかった。一方、カノーラ油群の血漿中総コレステロール、トリグリセリド、リン脂質および遊離コレステロールレベルは、投与第2週以降、有意に高値を示した。その他アルブミン(投与第8週)、グルコース(投与第4週)、LDLコレステロール(投与第4および6週)レベルが高かった。また剖検では、投与第4週まで全例で異常が認められなかったが、大豆油群では、第6および8週に心臓または腎臓の白色斑が各1例認められた一方、カノーラ油群の第6週の4例に、第8週の7例にこれらの異常が認められた。その他のパラメータは解析中であるが、一般状態あるいは剖検での異常が認められるより早期の段階で、血漿脂質の増加が認められることが明らかとなり、これらの結果も含め、カノーラ油摂取が誘導する高血圧関連疾患の促進のメカニズムの解明を進める。
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