Research Abstract |
本研究計画初年度に当たる平成21年度には,まず,研究グループで開発している同期型の学習システムである共有型電子黒板システムIMPRESSIONとそれを用いた,教師用の授業ふり返りシステムを使用し,これを非同期の講義コンテンツ閲覧に用いた場合の問題点とそれを改善するための要求の分析を行った。それにより,自由な閲覧操作を行うために必要な機能として,高速再生や巻き戻し機能などが必要であることが明らかになった。 続いて,要求分析で得られた自由な操作を許すため,学習教材をどのようなデータ形式で記録保存し,どのようなプロトコルで通信を行うかの設計を進めた。その結果,通常の再生に加えて,逆再生やスキップなどの様に自由な操作を行うため,ランダムアクセス性に優れ,途中から再生しても表示が破綻しない様に工夫をした,XML形式でデータの通信を行うこととした。 次に,実際にコンテンツを表示する,受講システムのプロトタイプシステムの構築を行った。計画初年度においては,「自由な受講行動」として,学習教材の時間軸上の移動に当たる,再生や逆再生,早送り,巻き戻しなどの機能を中心として実装を行った。クライアントシステムは,Adobe Flex Builderを開発環境として採用し,Webブラウザ上のFlash Playerで動作するRIAアプリケーションとして実装を行った。これは,Flashが,比較的高速かつ表現力豊かに画像を表現出来るだけでなく,ユーザの行動の履歴を取得可能であるためである。また,サーバとしては,データの処理用として,Webサーバ用のCGIとして構築するとともに,ビデオ教材の双方向通信を可能とするために,Flash Media Serverを用い,講義に同期しビデオの再生等が行えることを確認した。
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