2009 Fiscal Year Annual Research Report
高解像度教育コンテンツ映像の大規模収録分析システム基盤の構築
Project/Area Number |
21700818
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
永井 孝幸 Kumamoto University, 総合情報基礎センター, 准教授 (00341074)
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Keywords | 講義ビデオ / ハイビジョン / 自動収録 / 教育コンテンツ |
Research Abstract |
本研究の目的は教育コンテンツ映像の大規模な収録・分析のためのシステム基盤を構築し,高等教育機関における日常の教育活動の定量的な把握を可能とすることである.コンテンツ映像を日常的に大規模に収録するためには,導入コストの低減と運用の省力化が不可欠である.そこで近年低価格化の進んだフルハイビジョンカメラを用いて可搬型機材による半自動収録手法を開発し,数百科目規模の収録に耐える大規模収録システム基盤を構築する. 本年度前半においては市販ハイビジョンカメラと小型サーバを用いた小型・低価格な自動収録システムの開発を行い,市販カメラの制御方法の確立,ならびに収録素材の蓄積・加工システムの予備実装を行った.本年度後半においては自動収録システムを実際の講義室に設置し,導入時のコスト算出ならびに実環境での動作テストを行った.実環境においてもシステム動作・画質に問題のないことを確認している.また,可搬型カメラによる撮影では撮影時に素材に2次元バーコードタグを埋め込む方式を用い,素材管理の省力化を実現する.この方式の実現に必要なタグ発行システムをWebアプリケーションとして実装した. 本年度開発した講義自動収録・加工システムは一式30万円程度で導入可能であり,現在の市販製品と比較して約1/10のコストである.これは本システムを用いることで現状より一桁大きい規模で講義収録を実施できることを意味し,大規模データに基づく教育活動の定量的な把握に必要な基礎データの集積に大きく貢献すると言える. 欧州や北米の大規模大学では,学生に対する学習機会の向上,教授法の改善資料,大学の知の解放といった様々な用途で講義ビデオの活用を進めている.本研究で開発した映像収録インフラの活用により,大規模大学でなくとも収録映像を活用した教育サービスの向上を行うことが可能となる.
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