2011 Fiscal Year Annual Research Report
サービスラーニングを通じた学習者の「学び」の変容に関する対話的評価の試み
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21700821
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
西田 心平 公立大学法人北九州市立大学, 基盤教育センター, 准教授 (00449547)
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Keywords | サービスラーニング / 対話的評価 |
Research Abstract |
本研究のテーマは、「サービスラーニングを通じた学習者の『学び』の変容に関する対話的評価の試み」である。平成21年度の新入学生(北九州市立大学地域創生学群)を対象に、学習者自身の自己理解とそれについての自己評価に主眼をおいた学習効果の評価を4年間をつうじて実施することが目的である。 23年度は前年度に引き続き講義科目と連動させながら「現場実習」に向かう年として設定した。サービスラーニング的な教育手法の実践として位置づけられる。プロセスとしての学生の「学び」についてデータを積み重ねる2年目の時期となった。 具体的には、地域での毎週の実習活動と毎月1回実施する活動の振り返りを積み重ねた。実習活動の主な内容は、北九州地域の老舗商店街の一画を活用した学生商店の運営である。活動の振り返りでは、商店の運営に関する課題(接客の仕方、イベントの実施、広報の仕方など)について省察と各月の目標設定を行った。本研究の課題である「対話的評価」については、主に後者の振り返りの時間でのレポート提出とそれを踏まえた指導教員との「対話」を通じて実施した。 本年度の成果としては、現場実習2年目の経験を生かしながら、多様なイベントを実施できたことである。とくに観光客を商店街の中へと誘致するためのイベントを企画・実施できたことは参加学生の運営能力の向上につながったものと思われる。一方、こうした能力を「学び」の成果としてアウトプットするには至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
サービスラーニングを用いた学習方法に求められる大学と地域との連携づくりそのものに時間と労力を要しており、学生の「学び」をプロセスとして把握するための作業に充分に着手できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
学生の「学び」の変容を捉えるための枠組みづくりに力を入れる。本研究課題に照らしたとき、本来は地域貢献型の「学び」の評価軸を作成することが主要な目的となる。だが、その点を変更して、ひとまず学生の最終レポート(卒業実践報告)の作成指導にあたることで、そこでの成果物から各学生の「学び」の変容についてのプロセスを整理し、それをもって今後の現場実習指導に活かしていくことを検討したい。
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