2011 Fiscal Year Annual Research Report
授業内における教師の身体行動を手がかりとした授業マネージメントの検討
Project/Area Number |
21700828
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
岸 俊行 福井大学, 教育地域科学部, 准教授 (10454084)
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Keywords | 教育心理学 / 教育工学 / 授業研究 / 授業崩壊 / 身体行動 / 机間巡視 / 小学校 |
Research Abstract |
本研究計画の目的は、小学校の授業における教師の身体活動に焦点を絞り,その授業内の教師の身体活動が授業のマネージメントにどのような影響を及ぼしているのか,また,その教師の身体活動が子どもの学習環境を整えるという意味において,有効な機能を有しているのかについて実証的に明らかにすることである。本年度は、上記研究の最終年度にあたり、過去2年の間に蓄積した授業データを基にした分析及び教員のインタビューを行い、研究知見のまとめに費やした。過去に蓄積したデータの分析を行った結果、主に以下の4点が明らかとなった。 1.教師の授業内の身体行動をコーディングして分析した結果、実に多くの身体行動を教師は授業内に行っていることが明らかとなった。 2.教師の授業内に行う机間巡視は、子供たち個々の状況に合わせた授業を行うたやに行っているとともに、授業の本筋から外れた子供たちを授業に戻す役割があることが明らかとなった。 3.教師の授業内の身体行動、特に机間巡視や立ち位置,パラ言語情報等が、クラスマネージメントに密接にかかわっていることが明らかとなった。特に、子供の状況を把握できない教師の場合、机間巡視や怒鳴り声といったパラ言語情報を用いても、クラス内の状況の改善につながらないことが明らかとなった。 4.技能を教えるような場合には、教師による身体活動は学習者の技能獲得に非常に大きな要因となることが明らかとなった。 上記の点に関して、授業内の教師の身体活動に焦点を当て、それをクラスマネージメントという観点において分析したところに、本研究の意義があるといえる。教師の授業内での様々な活動が、子供の学習に影響を与えるという点では当然のことだが、それだけでなく、クラスをマネージメントするという点でも非常に大きな意味を持つことが示唆された。
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Research Products
(2 results)