Research Abstract |
これまで,メロディ付き物語創作支援システムを開発し,小学校3,4年生を対象に授業実践を行ってきた.従来は,システムの要求性能が高かったため,満足にシステムを動作させることができる高い性能のノートパソコン20台程度を開発側が持参し,実践を行ってきた.しかしながら,本システムの普及を考えた時,小学校のパソコン環境で使用でき,かつ,教員が授業で利用しやすくなるよう運用面で充実を図る必要がある.さらに,今までの授業実践は,90分授業1回限りの「イベント型」授業で,本システムにおける目的の一つである作曲スキルの向上を実現するには絶対的に時間が足りない.そこで,今年度は,小学校教員が音楽教材として簡単に利用,運用できるように,従来システムを改良し,新システムによる授業実践を行った. 具体的には,搭載メモリ量が256MBで問題なく動作するようシステムを改良し,テストを行った.学習者が作成した作品のスライド投影や印刷の手間を軽減して授業がスムーズに行えるよう,学習者用PC,講師用PCとカラープリンタからなる無線LANを利用した成果物管理機能を追加した.さらに,教員が利用しやすいように,動作設定ツールも開発,実装した.加えて,系統的作曲指導ができるように,今までの授業での段階的な作曲指導と連動させた音階制限機能を追加しそれによる授業実践を行った.授業実践を行った小学校の担当教員を対象として,インタビューを実施し,教員の意見を反映した継続型の授業案を検討,作成した.これにより,次年度に実施する継続型授業案を用いた授業実践の基礎が整った.
|