2009 Fiscal Year Annual Research Report
成績と授業評価データからなる満足度・習熟度関係性モデルを用いた学生への指導法提示
Project/Area Number |
21700834
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Research Institution | Tokyo National College of Technology |
Principal Investigator |
北越 大輔 Tokyo National College of Technology, 情報工学科, 講師 (50378238)
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Keywords | ベイジアンネット / データマイニング / 確率推論 / 情報量規準 / 機械学習 / FD / 授業評価 |
Research Abstract |
本課題は学生の授業評価アンケートと成績データを用い,学生への適切な指導法提示支援を実現する授業満足度・習熟度関連性モデルの構築を目的とする.今年度は1.モデル構築に必要な授業評価・成績データの収集,2.データ中の各要素間の確率的依存関係を,確率モデルの一つであるベイジアンネットとしてモデル化,3.構築したモデルの妥当性評価(モデルの構造に関する考察,およびモデルを用いた確率推論の精度を用いたモデル構造の妥当性検証)を実施した. アンケートは個人を特定しない一方,一個人における教科間の依存関係が分かる形式で収集した結果,多数のデータを収集できた(のべ210名).しかし,無記名であるため各々がデータ提供者としての意識を持ちにくく,明らかにデータとして不適当だと思われる回答も少数であるが含まれた.不適切データを取り除いたものから構造決定されたネットワークモデルは,科目間における"我々が想定可能な"依存関係(例:理系科目同士の成績等)を良く表現しただけでなく,"通常では想像することが困難な"依存関係(例:文系,理系科目間の成績,文系科目の授業評価と理系科目の成績等)も明らかにした.モデルが実際にデータの確率的特徴を良く表しているか評価するため,あるノードの状態をモデルへ入力として与え,その状況で他のノードが特定の値となる確率を推論により求めた結果,平均して約70%以上の精度を得た. 今回収集したアンケート項目の多くは指導法提示支援への適用が容易なものと考えられたが,検証の結果,一部項目は指導法提示に対して適切でないことが確認された.検証結果はアンケート項目の再検討,アンケート収集方法の改善等に活用可能である上,指導法提示支援の実現にあたり,使用者(教員)に対して直観的に理解しやすい入出力形式に関する知見も得られた.今後は大規模データ収集やモデル構築を実施していく.
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