2012 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀における技術者への熱学の普及と蒸気機関への応用について
Project/Area Number |
21700840
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 学 千葉工業大学, 工学部, 助教 (60447555)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | デービス・ギルバート / ジョン・ヘラパス / ハンフリー・デービー / ランフォード伯 / 蒸気機関 / 熱運動説 / 熱素説 |
Research Abstract |
平成24年度は,ランフォード伯やハンフリー・デービーらが唱えた熱運動説が蒸気機関開発にどのような影響を与えたかを検討した.その研究成果の一部は,日本科学史学会第59回年会一般講演(三重大学生物資源学部校舎)にて「コーンウォールの技術者たちの熱理論と熱運動説」として発表した. 本研究課題の成果は,2013年2月に出版された拙著『19世紀における高圧蒸気原動機に関する研究』(「平成24年度科学研究費助成事業(科学研究費補助金(研究成果公開促進費))学術図書」の援助を受けた出版)にできる限り掲載するように努めた. また,蒸気機関技術史研究のこれまでの経緯と現状および今後の課題について私見をまとめたものを「蒸気機関技術史概論」として執筆し,『科学史研究』(2013年第52巻1-4頁)に発表した. これまでの研究では,イギリスにおけるワット以外の蒸気機関の開発に際し,デービス・ギルバートと技術者・科学者のコネクションに着目していたが,そこからさらに進んで,デービス・ギルバートがどのような熱理論を持っていたかについてより深く検討している.ギルバートが書いた書簡を読む限り,1790年代,ギルバートは,水蒸気の弾性力について熱運動説を基礎に検討していたように思われる.一方,18世紀末にランフォード伯やデービーら熱運動説を唱え,その情報はギルバートに伝えられてはいた.さらに平成24年度はジョン・ヘラパス(John Herapath, 1790-1868)の熱運動説にも着目したが,その当時の熱運動説はどれも蒸気機関の開発にほとんど影響も与えなかったように思われる.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)