2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700847
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
樋口 輝久 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (20304339)
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Keywords | ダム / 歴史的ダム / 保存・活用 / 保存技術 / 歴史的ダム保存事業 / 土木遺産 |
Research Abstract |
本研究の目的は、歴史的なダムの補修・改修事例について、特にマイナス結果をもたらした事例に関して、その方針、手法を検証し、歴史的構造物を次世代へ適切に伝えるためにダムを維持管理、補修・補強するための基本的な考え方や技術を示そうとするものであった。実施計画としては、(i)歴史的ダムの保存・改修事例の収集、(ii)ケーススタディーの調査・分析・評価、(iii)歴史的ダムの保全技術の提言、の大きく3つに分けられており、平成22年度は、(ii)および(iii)を中心に実施した。 (ii)ケーススタディーの調査については、より多くの事例を追加する意味で、丸沼ダム、黒部ダム、狭山池ダムの現地調査を行い、その維持管理状況、補修・改修状況を確認した。特に今年度は、新たな視点として、狭山池ダムで文化財的な保存方法に関してもその手法を確認した。(iii)歴史的ダムの保全技術の提言については、保全・改修方法をもとに前年度までに整理した、a)堤体補強,b)嵩上げ,c)凍結融解防止,d)用途変更,e)残置,f)形式変更,g)付属設備の改修の7項目に対して、個々の事例を紹介し、それぞれに対する評価を加えるとともに、適切な保全方法について言及した。この成果については、土木学会歴史的構造物保全技術連合小委員会(編)として出版した『歴史的土木構造物の保全』(鹿島出版会,2010)において、「保全のための設計・施工論」のダムの項で著した。
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Research Products
(1 results)