2010 Fiscal Year Annual Research Report
地震発生サイクルの揺らぎを考慮したB級活断層の地震の再来間隔の算出に関する研究
Project/Area Number |
21700860
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
中村 洋介 独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 産総研特別研究員 (80386515)
|
Keywords | 活断層 / 平均変位速度 / 地震の再来間隔 / 河成段丘 / 地形 |
Research Abstract |
本調査では日本におけるB級の逆断層を研究対象として地震の発生サイクルの算出とその比較に関する調査を行った。北陸地方の活断層(魚津断層、森本-富樫断層)では、段丘面によって平均変位速度が大きく異なることから地震の再来間隔に揺らぎが認められる可能性が高いことが判明したのに対し、深谷断層ならびに山形盆地断層では段丘面の平均変位速度がほぼ同等であることから、最近数万年間に限ってはほぼ等間隔で地震を発生させている可能性が高いことが判明した。この事は活断層によって地震の再来間隔に差があることを示唆し、単に固有周期にあてはめるだけでは活断層の長期評価は困難であることを意味する。また、2011年3月11日に発生した東北太平洋沖地震では、本震であるプレート境界地震の影響を受けた可能性がある内陸直下型地震(3/12中越地方M6.7、3/15静岡県東部M6.4など)が発生し、これらの影響についても検討していく必要がある。 今後は比較対象として調査を始めている九州北部の活断層やこれから調査を予定している東北地方の活断層(千屋断層、庄内平野東縁断層)などのデータを蓄積し、地震の再来間隔の揺らぎがどのような条件下で発生するのかを解明して行きたいと考えている。
|