2009 Fiscal Year Annual Research Report
大気中における含窒素有機エアロゾルの化学的挙動の解明
Project/Area Number |
21710001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮崎 雄三 Hokkaido University, 低温科学研究所, 助教 (60376655)
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Keywords | 有機エアロゾル / 有機態窒素 / 大気化学 / 分析化学 / 極性有機化合物 |
Research Abstract |
本年度はガスクロマトグラフ(GC)・イオンクロマトグラフ(IC)を用いることで、エアロゾル中の含窒素有機化合物の分析手法を確立し、その精度・確度について評価するための実験を行った。エアロゾル中のアミノ酸を中心とする含窒素有機物の標準物質についてMTBSTFAを用いて誘導体化し、GCにて測定する手法の構築を試みた。アミノ酸はフリーの化合物とアミド結合した化合物の両方の分析法についての検討を行なった。標準物質については、高感度で検出することに成功したが、ブランク値が実サンプル中の値に比べて有意に高いため、このブランク値の低減については様々な角度から検討・分析条件の改善を行なっている。 低分子アミンについてはICによって検出を試みた結果、海洋エアロゾル中にジメチルアミンおよびジエチルアミンを検出することに成功し、微小粒子に多く存在するなどの特徴を明らかにした。全有機態窒素についても元素分析等を行なうことで、海洋大気中では質量粒径分布が二山分布を示すことを明らかにした。海洋生物の影響をより強く受けたエアロゾルでは全有機態窒素濃度は影響の小さいエアロゾルの値と比べて約2倍高いという結果が得られた。これらと後方流跡線解析の結果から、夏季の北太平洋外洋域での有機エアロゾルの放出源として海洋生物の影響が大きく、その組成は有機態窒素に富むことが明らかになった。さらに窒素同位体比・安定炭素同位体比の分析等も行ない、夏季外洋域でのエアロゾル全炭素に占める海洋生物起源の割合は46-72%と見積もられた。これらの研究成果は有機エアロゾルの極性決定プロセスに関わる窒素の役割や、海洋・陸上生物起源の有機エアロゾルが大気-生態系における窒素・炭素循環に果たす役割を明らかにしていく上で重要であると考えられる。
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[Journal Article] Chemical characterization of water-soluble organic carbon aerosols at a rural site in the Pearl River Delta, China, in the summer of 20062009
Author(s)
Miyazaki, Y., Y.Kondo, M.Shiraiwa, N.Takegawa, T.Miyakawa, S.Han, K.Kita, M.Hu, Z.Q.Deng, Y.Zhao, N.Sugimoto, D.R.Blake, R.J.Weber
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Journal Title
Journal of Geophysical Research Atmospheres 114
Pages: D14208, doi:10.1029/2009JD011736
Peer Reviewed
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