2010 Fiscal Year Annual Research Report
全球化学輸送モデルによる大気汚染物質の長距離輸送とその変動メカニズムの解明
Project/Area Number |
21710008
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
須藤 健悟 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (40371744)
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Keywords | 大気汚染 / 越境汚染 / 大気化学 / 化学輸送モデル / エアロゾル |
Research Abstract |
過去再現シミュレーション(20世紀~現在)に向け、必要な入力データ(オゾン前駆気体・メタン・エアロゾルの地表エミッション、ハロゲン化学種濃度、海面水温分布等の過去データ)を整備した。過去の人為起源エミッションについては、研究代表者らのこれまでの研究によりEDGARインヴェントリ(Olivier and Berdowski, 2001)を用いた入力データが既に作成されている。しかしながら、過去のエミッション変動については、推定に関する不確定性が大きいと考えられるため、本研究では他のインヴェントリ(RETRO, http://retro.enes.org等)も併用し、全球的なエミッション変動の評価・検討を行った。また、植物燃焼(森林火災等)起源のエミッションについては、局所的な燃焼浮力による上方輸送により、1~8kmの高度層にも汚染物質が直接注入されることが示唆されている(Freitas et al. 2007)。この過程は汚染物質の長距離輸送および輸送量に大きく影響する可能性があるので、本研究では上述のEDGARインヴェントリで提唱されている植物燃焼起源エミッションの注入方法を採用し、診断実験および観測データとの比較を通じ、エミッション高度の妥当性を検討した。さらに植物燃焼の年々変動についても、衛星データ等に基づくデータセット(GFED等)を利用した表現方法を導入した。以上のような入力データを用い、CHASERモデルによる過去再現実験を開始した。
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