2009 Fiscal Year Annual Research Report
地下水流動条件による流域スケールでの脱窒のモデル化
Project/Area Number |
21710010
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
齋藤 光代 Ehime University, 沿岸環境科学研究センター, 研究員 (20512718)
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Keywords | 環境動態解析 / 地下水 / 脱窒 / 物質循環 |
Research Abstract |
本研究は,地下水中でのNO_3^--N自然浄化機能の一種である脱窒作用に焦点を当て,その反応を制御しうる要因として物理条件である地下水流動に着目し,流域スケールでの脱窒のモデル化を試みるものである.このため,地下水流動条件が大きく異なる日本の山地性流域とアジアの大規模河川流域(大陸性流域)を対象とし,まず,(1) 現地観測結果に基づく地下水流動解析および地球化学解析を行い,反応系を含めた地下水中での詳細な脱窒過程を明らかにする.また,(2) 地下水中での脱窒ゾーンの特定を行うとともに,脱窒ポテンシャルを評価する.以上の結果に基づき,最終的に(3) 地下水流動条件による脱窒のモデル化を目指す. 初年度である平成21年度は,(1) 地下水中での脱窒プロセスの解明を主な目的とし,まず,対象地域である山地性流域(広島県生口島)および大陸性流域(ジャカルタ・チリウン川流域)において,地下水調査を行うとともに地下水試料の溶存化学成分および溶存ガス成分の定量分析を行った.水文地質データ(帯水層の透水性および地下水位分布など)により,各対象地域の地下水流動を推定し,分析データから,地下水流動にともなう窒素画分濃度および酸化還元状態の変化を確認した.また,それらの結果から,各調査地について地下水中での脱窒反応の有無を検証した.さらに,地球化学反応計算ソフトウェアを用い,脱窒反応における電子供与体の検討を行うとともに,地下水流動解析ソフトウェアによる地下水流動解析(涵養量変化にともなう変動解析)を行った.
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