2009 Fiscal Year Annual Research Report
生理特性から捉える細菌群集の海洋物質循環過程における役割
Project/Area Number |
21710022
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山田 奈海葉 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 環境管理技術研究部門, 研究員 (90435769)
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Keywords | 海洋物質循環 / 海洋細菌 / 有機物 |
Research Abstract |
海洋細菌は、非生物態有機物の利用を通して、物質循環過程の駆動に深く関わっている。海洋細菌には様々な種類が存在し、その生理特性や機能が異なるにも関わらず、多くの研究では、細菌群集をひとまとめにして、物質循環過程への関わりを調べている。逆に、海洋細菌が利用している非生物態有機物の中身についても一様ではない。本研究では、海洋細菌を含む自然海水中に、化学的性質の異なる様々なモデル基質を添加する培養実験を行い、生理特性の違いを指標とした海洋細菌のより詳細な物質循環過程への関わりを明らかにすることを目的とする。 平成20年度は、各基質を好む細菌を識別する方法と識別した細菌の分類方法について、分析手法を確立した。基質には、アミノ酸としてロイシンを、単糖としてグルコースを脂質としてオレイン酸を選定した。実験には、Kogureら(1979,Can.J.MicrobioL,25,415-420)のDhecti Viable Cell計数法の改変法を用いる。具体的には、培養時に基質と共に細胞分裂阻害剤を添加し、基質を好んで利用したものについて、その基質を好む細菌として識別する。さらに、細菌の種類を識別する方法については、蛍光現場ハイプリダイゼーション(Catalyzed Reporter Deposilion-Fluorescent in situ Hybridization;CARD-FISH)法を用いる。分類には代表的な種類であるα-proteobacteria、β-proteobacteria、γ-proteobacteda、Cytophaga-Flavobactererを選び、各オリゴヌクレオチドプローブを選定した。 またこの研究に加え、様々な海域において、化学的性質の異なる5種類の基質を用いて、それぞれの基質分解速度から海洋細菌の有機物分解特性について調査した。
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Research Products
(6 results)