2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21710023
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
鶴島 修夫 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 主任研究員 (40357538)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 海水 / 密度 |
Research Abstract |
海水の密度測定のための試料保存容器の検討を行った。アルカリ性の海水に対し、ガラスからのケイ素の溶出が起こらない事を目指した。年度当初検討を行った管瓶(硬質ガラスの管をガスバーナーで成型して作られたもの。安価なソーダライムブローガラス瓶と比べ、アルカリ溶出やガラスの腐食が少ない)に薄膜のテフロンコーティングを施した瓶については、特段の改善がみられず、常温から40℃の環境では数週間で密度の測定に影響を及ぼすほどの珪酸塩濃度増加が起こることがわかった。これは、1μm以下の薄膜コーティングのため、ピンホールが無数に存在し、海水がガラス面に直接触れるためと考えられた。そのため、ガラス瓶の内面に厚膜のコーティングを施すことを試みた。コーティング専門メーカーとの検討の結果、100μm前後の厚膜テフロンコーティングを施すことが出来た。溶出試験を行ったところ、室温から40℃の環境下で数ヶ月間、ケイ素の溶出は起こらなかった。一方で、耐久性のテストも行ったところ、常温で海水を入れて半年程度でコーティングがガラス面から剥がれることがわかった。しかしながら、厚膜コーティングのため、テフロン膜が剥がれ落ちたりゆがんだりすることはなく、形状が保たれているため、海水密度測定用試料の保存瓶としての機能は長期間保持できることが示唆された。これまでに蓄積した太平洋周辺海域の密度測定データについて、硝酸塩、リン酸塩、珪酸塩といった栄養塩濃度と全炭酸、アルカリ度との関係を解析した結果、これまでのデータ空は空白域においても珪酸塩濃度との間で最も高い相関が認められ、先行研究で提唱されていた関係式によりこれらの海域でも密度の推定が可能であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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