2010 Fiscal Year Annual Research Report
人工衛星データを用いた水稲耕作地の二酸化炭素収支の広域推定
Project/Area Number |
21710032
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岩田 徹 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (10304338)
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Keywords | 人工衛星 / 水田 / 二酸化炭素(CO2) / MODIS / フラックス |
Research Abstract |
本年度,実施した研究の概要は以下の通りである. ○光合成モデル(Gpp)の再構築 ・既開発済みであった、プロトタイプの光-光合成モデルからLUE(光利用効率)モデルへの変更を行った。 ・光-光合成モデルでは,モデルパラメータの時定数の違いの限界により、光合成量の日極大値や季節変化に著しい差が出ることが散見されていた。 ・LUEのNDVIに対する依存関数が、太陽放射の大気透過率(≒晴天率)によって違うこと明らかにし、光合成モデルに反映した。 ○呼吸モデル(Re)の再構築 ・生態系呼吸量の温度依存係数が、各年度の水稲生育状況に比例して変化することを明らかにし、耕作期間の呼吸量モデルに反映した。 ○岡山水田における多年度検証 ・上記の改良したモデルを使用して、単作水田(八浜HCH)における2003-04,2006-09での精度検証を行った. ・それぞれの評価精度は、GPPが-1~+9%,Reが-13~+14%,NEE(純生態系交換量)が,+3~+9%の範囲であることを明らかにし、1測点についてのモデル評価では,極めて高い精度での予測が可能となった。 ○水田マップの再構築と検証 ・国内水稲マップ(環境省版植生図と国土交通省版道路・建造物データとの融合)を独自開発した(25m分解能). ・ALOS,AVNIR2センサーによる高精度土地被覆図(50m分解能)を利用した. ・上記両者を、250m分解能のマップに統一し、都道府県別の水田面積を算出し、総務省版水田面積(2010)との比較を行った。 ・北海道を除く46都府県の相関率で、前者が96.3%,後者が88.0%となり、独自開発した水稲マップの精度の高さが示された。 ・水田面積率の違いによって,NDVIの季節変化の様子が違うことに着目し、人工衛星のNDVIデータから、他植生の影響を除く手法の方向性を確認できた。
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