2011 Fiscal Year Annual Research Report
エコツーリズムは地域経済に貢献しているか―環境評価手法による定量的検証
Project/Area Number |
21710036
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
庄子 康 北海道大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (60399988)
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Keywords | エコツーリズム / 持続可能性 / 環境評価手法 |
Research Abstract |
本年度の研究目的は、知床国立公園(北海道)にある知床五湖の利用調整地区制度を対象として、利用調整地区制度が訪問者にどれだけの便益があり、地域経済にどれだけの収益を期待できるのか、また制度の導入によりどのような利用動態の変化があるのかを明らかにすることであった。そのために、一般市民に対するWebアンケート調査を実施し、端点解モデルよりエコツアーに対する評価を行い、どのようなエコツアーが訪問者から高い評価を得て、かつ収益性も高いのかについても考察を行うことを目的とした。本年度の成果としては、分析手法である端点解モデルについて手法の整理を行うとともに、モデルの構築およびプログラミングを行った。さらに、利用調整地区制度に対する評価を得るためのアンケート調査を実施するため、アンケート調査の素案作成、プレテスト、調査実施の一連の作業を行った。解析をすべで終えていないため最終的な結果を得るには至っていないが、利用調整地区制度は利用者にも地域経済にも概ね利するという結果を得ている。これらの成果のうち、分析手法に関する成果については、本年度中に国際学会にて発表を行っている。さらに本年度に得られた結果については、平成24年度に開催される国際学会にて発表する予定である。知床五湖の利用調整地区制度は、本年度が導入初年度であり、本研究は利用調整地区制度の評価を行う上で大きな役割を担うものとなった。さらに、観光客数の減少や交通渋滞、利用の集中など、利用調整地区制度の導入に伴って生じるであろう、様々な悪影響を回避するための方策を考える上でも有用な情報を提供することが期待される。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Combining ecological and economic aspects in national park management : a choice experiment application2011
Author(s)
Juutinen, A., Mitani, Y., Mantymaa, E., Shoji, Y., Siikamaki, P., Svento, R.
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Journal Title
Ecological Economics
Volume: 70
Pages: 1231-1239
DOI
Peer Reviewed
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