2009 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄自動車からの高効率資源回収の仕組みと制度に関する研究-日中韓の比較を含めて
Project/Area Number |
21710038
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大村 道明 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 助教 (70312626)
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Keywords | 廃棄自動車 / ELV / トレーサビリティ |
Research Abstract |
本研究では、製造業のイメージリーダーであり、グローバル市場を有する自動車産業に着目し、その生産物の最終形態である廃棄自動車(End of Life Vehicle、以下「ELV」と表記)の精緻な解体と分別による資源の高効率回収のための技術と制度について、その展開・発展の方向性を主に日本、追加的に中国・韓国を対象に検討・提示する。本研究の目的は、ELV由来の各種希少資源の高効率回収スキームの確立に資することで、資源採掘等に係る環境負荷の削減、資源の国際相場の乱高下に左右されない安定的な生産環境の確保、さらには法令遵守の徹底による静脈産業のイメージアップを図ることにある。 今年度中には新しいリサイクル資源市場の発掘を目指した。具体的には、ELVをマテリアルとしてではなく、可動部品の集合体として見た場合の新しい商品開発などである。(株)ヨシムラみやぎ自動車リサイクルセンターとの共同研究では、トレーサビリティシステムがほぼ稼働に耐えうる状況にまで構築できた。また、ELVからの廃プラスチック類のうち、特にバンパーPPをリサイクルするための商業取引開始に向けて業者間での契約書の締結寸前まで漕ぎ着けた。 (株)エコアールとの共同研究では、ELV構成パーツを利用した発電車輛のプロトタイプが完成した。現在、市販に向けた試作2号機の作成と、安価なELVパーツを利用した電気自動車の開発にも取り組んでいる。 残された課題としては、トレーサビリティシステムのトレース精度の検証が充分でないため、その実施が急がれることと、開発行為を研究論文として公表する事が挙げられる。
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