2010 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄自動車からの高効率資源回収の仕組みと制度に関する研究-日中韓の比較を含めて
Project/Area Number |
21710038
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大村 道明 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教 (70312626)
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Keywords | 廃棄自動車 / ELV / トレーサビリティ |
Research Abstract |
本研究では廃棄自動車(End of Life Vehicle、以下「ELV」と表記)の精緻な解体と分別による資源の高効率回収のための技術と制度について、その展開・発展の方向性を主に日本、追加的に中国・韓国を対象に検討・提示する。 今年度中は、昨年度に引き続き新しいリサイクル資源市場の発掘を目指した。(株)ヨシムラみやぎ自動車リサイクルセンターとの共同研究では、ELVを対象とする廃棄物トレーサビリティシステム。また、(株)エコアールとの共同研究では、ELV構成パーツを利用した発電車両の改良を行った。(東日本大震災以降の電力需要対応に資するべく、改良作業を急いでいる。)以上のような日本の状況と本研究による過年度の取り組み内容に?いて、中国で開催された第三回アジア自動車環境フォーラムで報告を行った。その結果、ELVを原材料とする別のプロダクトの作成については、中国の参加者が高い関心を示した。中国ではモータリゼーションが進行しているが、現在廃車となるような品質の車両であっても、電気自動車に改造してでも「未だ自動車として使いたい」という需要があることが垣間見られた。一方、台湾からの参加者は、自動車に使われる高張力鋼などの高品位部材を優先的に回収する方法に興味を示し、韓国からの参加者は、法令によって定められたプラスチック類の分離回収が関心事であることが判った。 東日本大震災により、岩手・宮城・福島沿岸での大量のELVの発生がある一方、福島第一原子力発電所からの放射性物質の影響や、沿岸部の電炉業者の被災による、国内スクラップ流通の混乱、リサイクル関連業者の被災などにより、本研究も軌道修正を迫られている。
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Research Products
(1 results)