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2011 Fiscal Year Annual Research Report

「資源の呪い」から持続可能な発展への転換を促す外資自主規制の役割に関する研究

Research Project

Project/Area Number 21710043
Research InstitutionEhime University

Principal Investigator

栗田 英幸  愛媛大学, 法文学部, 准教授 (60335883)

Keywords資源の呪い / 資源産業 / 民主制度 / 合意形成 / フィリピン / オーストラリア
Research Abstract

本研究は、「資源の呪い」研究の定説である資源産業のマクロ経済不安定化要因説に対して、別の規定要因として資源開発の大規模人数の合意形成不可能性を付け加えようとするものである。
本年度は、昨年度に実施した現地調査のうちオーストラリアでの3事例を当てはめ、これまでに整理したフィリピンの事例と比較を実施し、以下a)~d)と1)2)の計6点を明らかにした(栗田英幸他編『サブシステンスの平和学(仮題:脱稿済み)』法律文化社(2012年4月刊行予定))。
a)合意形成の困難さは人数だけではなく歴史的、文化的な要因にも規定されること
b)資源産業は政府利益と直結することから、資源開発は、円滑な合意形成政府の民主制度の執行者としての役割を阻害する
c)資源先進国と呼ばれるオーストラリアではあるが、過去の資源開発の多くが民主制度の変質による産物である可能性があり、かつ現在も民主制度を阻害している
d)グローバル展開する資源産業において民主制度の機能は、国内の政治アクターのみならず、多国籍資源企業の自主規制への圧力アクターとのネットワークのあり方に強く規定される
以上の点は、1)資源先進国として手本となっているオーストラリアといえども合意形成の困難性を十分に克服しているとはいえず、2)グローバル展開の進む資源産業に対して、国内の民主制度規定アクターのみで「資源の呪い」を十分に管理しえなくなっていることを示唆している。
オーストラリアにおいて資源開発のあり方が民主制度の阻害要因となっていることこそ確認できるものの、アフリカ、中東、ラテンアメリカ、東南アジア資源国で見られるような社会的混乱や著しい人権侵害に見舞われているわけではない。この相違を作り出す要因を明らかにすることが今後の課題である。

URL: 

Published: 2013-06-26  

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