2010 Fiscal Year Annual Research Report
地域性を重視した音環境マネジメントの手法に関する研究
Project/Area Number |
21710045
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
箕浦 一哉 山梨県立大学, 国際政策学部, 准教授 (10331563)
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Keywords | 環境政策 / 音環境 / 地域環境管理 / サウンドスケープ / 住民意識 |
Research Abstract |
本研究は音環境の経験の歴史性・地域性に注目して,良好な音環境を保全するためのマネジメント手法について考察しようとするものである。そのために,地域住民が音環境について述べる言説から音環境の経験の地域性の表れ方について検討する。 平成22年度は,山梨県富士吉田市の織物産業地域において音環境の観測と住民らへの聞き取り調査を実施した。その結果,織物産業音が地域の音環境を特徴づけていることが確認されるとともに,その音とともに生活する住民が特徴的な音の地域文化を形成していることが知られた。京都市の織物産業地域での既往調査結果との比較により,地理的に離れた地域であるにもかかわらず共通性の高い音の文化が形成されていることが知られた。他に,群馬県桐生市,京都府丹後地域の織物産業地域に関する予備的な現地調査・文献調査・聞き取り調査を実施した。 また,住民参加と環境保全・環境政策との関係について文献を収集して論点を整理し,音環境マネジメントにおける住民参加の可能性や地域コミュニティの役割について考察した。その結果,住民参加と地域コミュニティはいずれも今後の地域音環境マネジメントに欠かせない視点であることが確認され,その視点の導入のために当面なしうる方策として,サウンドスケープ的フィールドワーク,地域音環境マネジメントについての認識を住民・行政・専門家が深める場の設定,音環境分野と地域コミュニティ・まちづくり分野との協働などの推進が挙げられた。
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Research Products
(3 results)