2011 Fiscal Year Annual Research Report
地域性を重視した音環境マネジメントの手法に関する研究
Project/Area Number |
21710045
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
箕浦 一哉 山梨県立大学, 国際政策学部, 准教授 (10331563)
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Keywords | 環境政策 / 音環境 / 地域環境管理 / サウンドスケープ / 住民意識 |
Research Abstract |
本研究は音環境の経験の歴史性・地域性に注目して,良好な音環境を保全するためのマネジメント手法について考察しようとするものである。 平成23年度は,オランダ・アッセンで収集する都市音環境モニタリングデータに関して,データ収集および活用の方法について現地調査にもとづいて検討をおこなった。また,京都府京都市および山梨県富士吉田市において補足的な音環境調査および聞き取り調査を実施した。 また,これまでに収集した地域音環境に関する住民の言説のデータについて,テキストマイニングの手法を用いて分析をおこなった。その結果,各フィールドに特徴的な音源や表現の抽出などが可能となり,有意義な知見が得られた。一方で,妥当な分析結果を得るための方法論上の検討が必要であることが確認された。 さらに,音環境マネジメント手法を検討する参考として,景観に関する社会学的研究の動向について文献調査を行った。その結果,景観保全運動・政策の社会的なプロセスに関心の中心を置きながら,その背後にある地域住民の共同性に接近してきた特徴が見いだされ,音環境研究への応用の可能性が示唆された。 研究の総括として,事例調査結果の分析や文献調査結果に基づき,地域性を重視した音環境マネジメントの可能性と課題について検討した。音環境の住民反応において地域性は無視できない重要な要因であることが確認され,社会学・政策科学等の研究成果を参照しつつ,音環境マネジメントに住民参加の視点を導入することが重要であり,そのためのプロセスやコミュニケーションについての研究が必要となるとの結論を得た。
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Research Products
(1 results)